イチゴ

   田舎暮らしで、楽しいスローライフ




      

☆イチゴ農家への階段☆

     

 

☆イチゴに決〜めた!!☆


★イチゴ農家への階段★



研修先の農家のイチゴが、色づきはじめました。
えっ!これほんとに、イチゴ見たこともない巨大なイチゴに、びっくり!!

価格は、市場で、300g/パック1.300円価格もびっくり!!(平成9年12月の話)

「これなら儲かりまんがな!」と内に秘めた熱い思いをメラメラ燃やす私でした。


農業には、いろいろな農業があります。 
完全自給自足農、自然農法、有機農法、減農薬農法、とか、水耕栽培など近代工業のような農業、養鶏でも百羽の平飼いから数十万羽のケージ飼育まで幅広くありますが、その中で自分がどのような選択をするかが非常に悩みました。


当初は、環境にやさしく安全、健康、家族労働、など夢見て有機農業を進めていきたいと希望しました。
しかし、地域の有機農業に対する反発は、結構強く除草剤の未使用、消毒の無い米つくりなどとんでもない。
  

迷惑、虫が移るなどが、理由で抵抗が多く、有機といえば農地は貸さない、と言うことも聞きました。


時間が必要でした、実際移住してからでないと解からない部分も多く理想と現実の差に戸惑いを隠せませんでした。


僕の場合、家族がいたので収益性も考えなければなりません、ここでは家族が暮らせるのは、今の所いちご栽培しかない、 農協の共同販売組織もあるし作れば後の販売の心配ありません。


役場、県の進めもあり、イチゴ単作には、少し抵抗もありましたが、ここは、勉強と取り組むこととしました。

         


  ☆イチゴ一会・一期一会☆


時は、平成9年10月、来年から栽培が、できるように、イチゴの親苗を用意しておかなければなりません。
田圃も借りられ親苗1.000本、農家から分けて頂き植えることが、出来ました。
  

この親苗と言うのは、来年の春先ランナーといって、つるのようにのびてその先から芽が出てきます。その芽を小型ポットで受けて根を引かせ、親指の太さまで育ててハウスに植えるのです。


  親苗1000本に対し20.000本の苗を確保します。


親苗は田圃を冬の間だけ借りて、植えます。 平成10年5月、親苗からランナーが沢山でて、そろそろ苗取りの準備です。
回りのいちご農家も収穫と重なり忙しくなります。


私たちもいよいよと行きたいのですが、農地の方は、地元のかたの協力を得てなんとか確保したのですが、ハウスを建てるめどが全然つきません。
  

それは、補助金のめどが立たず、全部自己資金でいければ問題ないのですが2千万円からの設備費は、やはり補助金がないと僕たちには無理で、待つしかないのが現状です。


妻「もう一年、無職ですごすの〜」
親父「困ったな〜どこか農場で働けないだろうか。」


しかし、農家の現状は厳しく人を雇いながらの経営は、無理で必要に応じてということで近くのイチゴ園で働かせて頂きました。


親苗の田圃は、田植え前に返さなければならず妻と二人悔しさをかみしめながら、イチゴの株を折り、処分している姿に地元の方々も可哀想で近づけないほどだったそうです。

  ・・・伸びるなら、屈することを恐れるな・・・


次に、移住して栽培を始めていない私たちは、どのように生計を立てていたのでしょうか。県の制度で新規就農準備支援金制度の利用で、研修資金として月15万円最長2年の360万円の無利子、据え置き5年償還期間10年ととてもありがたい制度があります。


しかも永住し、農業を続ければ町が三分の一・県三分の一・本人三分の一で、本人は、360万借り入れで、120万の返済ですむ制度の利用で、月15万円の確保が出来ました。


この制度の弱点は、先に鹿児島県に移住していなければならないことで、例えば愛知県にいて、資金を制度資金を含めた資金計画は、立てられません。


  あくまでも移住後の制度です。


行政との関係や、地域の農業委員、JAとの関係が大切です。
よく相談をして、信頼関係をつくりあげる必要があります。


あとは、貯金の食いつぶしですが、まだまだ設備の投資、などかなり費用がかかるので、取り組む作物などにより計画的な計画が必要です。


できることなら最低3年間無収入で暮らせるだけの余裕がないと家族持ちは、大変ではないかと思います。



一年が過ぎ、時は、平成10年秋、そろそろまた親苗の準備、今年こそはと、気合い充分、去年の倍、2000本を用意しました。
専用圃場も20a(600坪)よっしゃ〜  と二人、稲刈りを横目に植え付けました。


妻「本当に、来年は、大丈夫かな〜」
僕「目の前のやることを一つ一つやれば、いいんや、だまってやれ!」
1年先から予定がたたないことに労力を使うことに不安なのは、僕も同じなのだ。


イチゴの栽培方法は、来年から開始すれば高設栽培が、事業導入出来補助金対象で出来るかも知れないとのこと。


従来のイチゴ栽培は収穫、手入れ作業、など腰を曲げる作業が、非常に多く農家にとって待ちに待った栽培方法で、多くの農家は、腰痛に悩み離農される農家もいるくらいでした。


  ※高設栽培とは、本来の栽培では長時間にわたる腰曲げ作業がいちご栽培においては、多く腰痛から離農するケースがめだった。


そこで棚をつくり、発砲スチロールの栽培槽に培土をいれ、立姿勢で作業が出来る栽培方法です。
「辛抱して良かったね」しかし、設備費は、大幅に掛かるので慎重に検討する必要があります。


しかし、都会育ちの、軟弱夫婦は、腰まげの、苦痛を去年から他の農家で経験済みの私たちは、「ラッキー絶対高設栽培よね。」と浮かれてしまうのでした。


平成11年春、いよいよ、イチゴスタートの季節が、やってきました。
親苗はすこぶる順調、子苗(ランナー)も一杯!さーやるぞ!!


その年6月ハウス建設の補助金申請も無事通り、いよいよハウスの建設と高設栽培の工事が始まりました。
工事開始次の日から雨、雨で圃場が、ぬかるみ現場に入れず工程が、大幅に遅れて行くのでした。


苗作りの方は順調ですこのまま行けばハウスが間に合わない危険が、イチゴは、育苗中、8月より肥料を切り花芽を形成させます。


その後すぐ定植(9/15〜9/25頃)して、今度は花芽を肥大させなければならず大変大切な、時期です。


定植一週間遅れで、一ヶ月の収穫遅れといわれ定植後2週間の管理で、その年の成果はきまるのだ。
  た、たのむ天気よ!!


願いむなしく雨が、3日おきに降り、大地を乾かす、隙をあたえません。
すでに時は、9月ぬかるみの中やむをえず、工事開始しました。


途中台風の襲来もあり想うように工事が進まず、夫婦で、40a/1200坪の圃場にスコップで、穴を何カ所か堀り、そこに水を溜め、、柄杓で汲んでバケツで捨てるなど、無力とわかっていても、夫婦二人何かしなければと、ぬかるみの中ドロドロになりながら水を捨て続けました。 


人の無力なことを妻ととことん味わいました。
ようやく完成したのは、10月20日、定植は、1ヶ月遅れもう今年の収量は、見えていました。


定植時にすでに小さな花が咲き小さな苗を見たとき、どうしようもなく、怒りの行き先もなく、お天道様に涙目で「ばか!」と、
  一言いわさせていただきました。


その効き目か、その後、イチゴは、みるみる大きくなり後半がんばりをみせ平均収量まで行きました。
ハウス建設に来ていただいた方達も、非常に心配し、こんな苦労した現場は、初めてと云っていました。


この年の台風は、過去最大級で、被害も相当でた年でした。


初めてのイチゴは歳明けて平成12年正月に、家族みんなで、子供の手ぐらいの大きないちごを大きな口をあんぐりあけてガブッ・ズウー・ジュルッ  と音をたてて腹一杯頂きました。


妻「お金に換えないと・・・」
親父「ええんや、まずはみんなで、食べようよ」


子供達は、何も語らず、ズウー・ジュルッー・ジュルと音を繰り返し
お皿の最後のイチゴ一個に切りつめた空気が、両者にらみ合いのまま動かず・・・・。
  

子供達は、食欲だけの野獣となり、とっても楽しく明るいお正月となりました。



   ☆イチゴの怖〜いお話☆


イチゴの敵の中で最も、怖いのが病気です。
中でも、うどん粉病という病気には、かなりいじめられました。


   ・・ストップ・ザうどん粉・・(薬がやめられなぁ〜い)

うどん粉病のイチゴは、果実の表面に白い粉が、ついたようになり商品価値はゼロです。全て田圃などに捨てます、山積みになったいちご、朝暗いうちから収穫して、捨てて、もうため息しかでません。


妻も黙々と、作業を続ける口を開けば、もうやめたい、つらい、となり文句の行き場のないことを彼女は、知っているのでしょう。


ついに、化学農薬使用に踏み切りました、収穫前日まで散布OK、おまけにミツバチへの影響なしと言うかなり高価な薬、そんな薬を何種類か、ローテション組んで2日おきに散布しました。


散布の時間は、約8時間かかるので、収穫、パック詰めその他の仕事をすれば、一日で半分しか散布出来ません。


※イチゴの大切なパートナーは、ミツバチです。彼らが花粉を受粉してくれないといちごは出来ません。巣箱を養蜂業者から借りて、ハウスに入れるのです。


2日おきとすれば、毎日の散布となります。これは、本当につらい。
収穫は日に日に遅れ日持ちのしないいちごは、柔らかく傷が付きやすくなるため、


イチゴのパック詰めに夜中12時までかかりもう睡眠時間返上し、朝3時から収穫です。イチゴの電照は、日長延長の為使用するので、2月で打ち切るのですが、3月、4月は、収穫用となります。

※付録:農業で一番大変な作業は、選別とパック詰めなどの調整作業です。イチゴの場合5時間収穫で約10時間は、調整作業です。ほんと大変なのだ。
作物を作る時間よりこちらを計算に入れていないとお金になりません!


  「しかし、薬も効果無し」もう最後の手段しかない。

最後の手段それは、ハウスの蒸し込み天気の良い日にハウスの換気を閉じ室内温度を40℃以上に保つと、高温に弱いうどん粉菌は、死滅するのだ。
しかし、イチゴへのダメージは、覚悟しなければなりません。

  
ハウス内の陰のところは、温度が上がらず、また陰の所に温度を会わせれば他の部分は、60℃近くまで上昇しいちごが枯れてしまいます。結局気休め程度で、完全では、有りませんでした。


結果、不況による価格低迷と、うどん粉病で売り上げ30%ダウン、大赤字となりました。


農業の厳しさをまじまじと感じました。
いちご農家の、作業量は、他の作物と、比較しても非常に多く苗作り期をいれれば、
まさに一年中、苗七作(苗作り7割で収量が決まる)と言うぐらい収入の無い時期の作業が重要と言われています。


ある農家が、イチゴのかわいい赤は、百姓の血の色だ。と言うひともいるぐらい、重労働なのです。
しかし、みんないちごが大好き!食べるのも、育てるのも大好き。


一期一会〈一生一度の出会い悔い無きようもてなす〉うどん粉菌には、そうしたつもり。


   ・・うどん粉撃退大作戦・・ 
翌年、うどん粉に対しては徹底的に、予防、防除を行う事に育苗期のマニュアル通りの、薬剤散布、定植後も同じく定期的に徹底的に実施しました。


ところが、またもやビニル被覆後、あの悪魔のうどん粉病発生!
「何でや、どこが悪いのだろう、何かが、違う。」
一株ごと丁寧に消毒し、完璧のはず。


なのにいっこうに衰えを見せないうどん粉菌は、まさに侵略者エイリアン。


みるみる広がり私たちを地獄の底に導いていくのでした。
「また去年と同じだ。」
僕たち夫婦は、完全敗北、今後どうするべきかもうどうしようもなく2年連続の大敗に、言葉も出ず。


この年は、皆さんも発病して苦労した、年のようでした。


  夫婦落ち込み、失望感の中
親父「今まででも自分で、決め進んできた何とかしてやる。」
   「再度作戦の練り直しだ、これは、チャンスなのだ!」


妻は「うどん粉病とあんたの病気は、薬じゃなおらん!」


    農業のどこが、スローライフなのだろうか?

     
 ちょっと笑えまへんでぇ〜            


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